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はだしのゲン 松江市 閲覧禁止 [ニュース]




漫画家の故中沢啓治さんが自らの被爆体験を基に描いた漫画「はだしのゲン」について、

「描写が過激だ」として松江市教育委員会が昨年12月、市内の全小中学校に、教師の

許可なく自由に閲覧できない閉架措置を求め、全校が応じていたことが分かりました。

児童生徒への貸し出し禁止も要請していたようです。出版している汐文社によりますと、

このような学校現場における措置は聞いたことがないと言っています。

「はだしのゲン」は1973年に連載が始まり、1987年に第1部が完結しています。

原爆被害を伝える作品として教育現場でも広く活用され、約20カ国語に翻訳もされて
います。

松江市では昨年8月、市民から「間違った歴史認識を植え付ける」として学校図書室

から撤去を求める陳情が市議会に提出され同12月の本会議で全会一致で不採択と

なりましたが、松江市教育委員会が漫画の内容を改めて確認。「首を切ったり、女性への

性的な乱暴シーンが小中学生には過激」と判断し、その月の校長会で「はだしのゲン」を

閉架措置とし、できるだけ貸し出さないよう口頭で求めました。

現在、市内の小中学校49校のうち39校がゲンを全巻保有していますが、全て閉架措置を

取っています。古川康徳・副教育長は「ゲンは平和教育として非常に重要な教材。教員の

指導で読んだり、授業で使うのは問題ないが、過激なシーンを判断の付かない小中学生が

自由に持ち出して見るのは不適切と判断した」と説明しています。

汐文社の政門一芳社長は「原爆の悲惨さを子供に知ってもらいたいとの願いで描かれた

作品。閉架によって風化しないか心配だ。こんなに悲しいことはない」と訴えています。

「はだしのゲン」を研究する京都精華大マンガ学部の吉村和真教授は「海外で注目される中、

松江市教委の判断は逆行している。ゲンは図書館や学校で初めて手にした人が多い。

機会が失われる影響を考えてほしい。代わりにどんな方法で戦争や原爆の記憶を継承して

いくのか」と話しています。

あなたは松江市の対応をどう思いますか?

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